"Journal of Nutrition" に掲載されたトロムソ大学(ノルウェー)などの研究で、ビタミンDの血中濃度が低い中年の人はテロメアが短いという結果になりました。テロメアは細胞の老化の指標で、同い年の人であってもテロメアが長い人のほうが若々しくて健康的であると考えられています。ビタミンDが欠乏している人は早死にしたりガンになったりしやすいというデータが存在します。 しかし、ビタミンD血中濃度と早死にやガンのリスクとの関係は、生物学的な説明によって十分に裏付けられているとは言えません。 米国に住む20才以上の成人男女4千人超から血液を採取して、白血球のテロメアの長さとビタミンD血中濃度を調べました。4千人超のうち40~59才の中年 1,300人ほどでした。 ビタミンDは血中濃度が50nmol/L(20ng/ml)の場合を、血中濃度が理想的であるとみなしました。 データの分析においては、年齢・性別・人種・BMI・カロリー摂取量・社会経済的状態(収入・職業・学歴など)・カルシウム摂取量・牛乳摂取量・サプリメント服用状況・身体活動量など、テロメアの長さやビタミンD血中濃度に影響する要因を考慮しました。 結果 40~59才の中年グループにおいて、ビタミンD血中濃度が50nmol/L以上である場合には50nmol/L未満である場合に比べて、テロメアが0.13kbp(キロ塩基対)長いという結果でした。 ビタミンD血中濃度が10nmol/L増えるごとにテロメアが0.03kbp長いという計算になります