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サルコぺニア(筋肉の質もボロボロ)運動の強化を!

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年を取ると筋肉が落ちるのは、ある程度仕方のないこと。ところが、加齢によって変化するのは、筋肉の量だけではない。高齢者の筋肉内には、霜降り状に脂肪が蓄積しがちで、その脂肪を「筋内脂肪」と呼ぶ。この度、名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教授らが共同研究を行い、高齢者に見られるこの筋内脂肪が、筋力や筋肉量が落ちるサルコペニアや運動機能の低下と関連していることや、特に男性では年齢とも関連することを明らかにした。詳細は、1月20日に発行された医学誌「Archives of Gerontology and Geriatrics」(2017;70:105-111)に掲載されている。 高齢男女の筋肉の霜降り度合い、筋肉量、運動機能を測定  皮下脂肪と内臓脂肪に加え、「第三の脂肪」と呼ばれる異所性脂肪が注目されているという。異所性脂肪とは、本来は脂肪がほとんどたまらないはずの膵臓や筋肉、肝臓などに過剰に蓄積している脂肪を指す。そのうち、筋肉内にたまるのが「筋内脂肪」だ。  筋内脂肪が増えると、インスリンの効きが悪くなり糖尿病になる可能性が高くなることが、これまでの研究で分かっている。また、運動機能にマイナスの影響を及ぼすこと、加齢や肥満、運動不足により増加することも分かっている。しかし、日本人の高齢者において、何が筋内脂肪に影響を及ぼすのかについては、ほとんど明らかにされてこなかった。  そこで、研究グループは、日本人の高齢男女64人を対象に、超音波断層装置で太ももの横断画像を撮影し、得られた画像を分析。筋肉内の霜降り度合いを数値化し、筋内脂肪の指標とした。また、得られた画像から筋肉の厚さと皮下脂肪の厚さを計測し、それぞれ筋肉量の指標と脂肪量の指標とした。  運動機能を見るために、一定時間内にできた上体起こしの回数、寝た状態から立ち上がるまでに要する時間、椅子の座り立ちを連続10回行うのに要する時間、5m歩行での最大速度、6分間の歩行距離をそれぞれ測定した。また、身体組成計付きの体重計で全身の体脂肪量、体脂肪率、筋肉量、筋肉率を推定した。  その結果、超音波断層装置の画像から求めた筋内脂肪の指標に、男女差は見られなかった。また、男性は筋肉量が多く、女性は皮下脂肪の量が多かった。  運動機能測定では、6分間歩行距離以外の種目で、男性が女性に比べて優れていた。身体組成も同様で、総じて男性は筋肉量が多く、女性は脂肪が多いという結果だった。  これらの結果を基に、研究グループは筋内脂肪の指標と筋肉あるいは皮下脂肪の厚みとの関係について検討した。  その結果、男女ともに、筋内脂肪が増えて筋肉の霜降り状態が進んでいる人は、筋肉の厚みが減り筋肉量が少ないことが分かった。一方の皮下脂肪の厚みとの関係では、男性には特別な関連が見られず、女性では筋肉の霜降り状態が進んでいると皮下脂肪も多いという結果だった。つまり、脂肪組織が体に蓄積していくパターンが、男性と女性では異なることを意味しているという。 筋肉量と筋力が筋内脂肪と密接に関連  筋内脂肪の指標が、今回測定したどの因子と密接に関係しているかを調べるため、男女別に各測定値を解析したところ、男性では太ももの筋肉の厚さ(筋肉量)、椅子の座り立ち(筋力)、年齢の3つが、女性では太ももの筋肉の厚さ、椅子の座り立ちの2つが、筋内脂肪を予測できる関連因子として浮上した。また、男女合わせて解析を行ったところ、椅子の座り立ち、全身の筋肉量、年齢の3つが、筋内脂肪を予測できる因子とされた。  研究グループは、今回の結果について、「加齢に伴い、筋肉量が減少するサルコペニアが生じることはよく知られているが、それと同時に、筋肉の量的変化だけでなく、筋肉の中に脂肪が蓄積するという質的な変化が生じていることが分かった。そして、特に男性では、筋肉の質的変化に関して、加齢の影響を大きく受けることが示された」とコメントしている。  筋肉の中に蓄積した脂肪は、高齢者の運動機能にも影響を与える。研究グループは、「高齢者は、定期的に運動することで、加齢に伴って起こる筋肉量の減少と運動機能の低下を食い止め、筋内脂肪の蓄積を抑制することができるかもしれない」とし、高齢者の筋肉の量的指標のみならず、質的な指標にも着目する必要があることを強調した。さらに、「これらの研究結果は、高齢者の健康の維持・増進や、効果的な運動法の確立に役立つのではないか」と期待を寄せた。

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