"Mayo Clinic Proceedings" に掲載されたヘンリー・フォード病院(米国)などの研究で、20年近くのうちに運動能力が向上した人は死亡リスクが低かったという結果になっています。 研究の方法 ヘンリー・フォード病院において 1991年と 2009年の2回にわたり運動能力を測定した患者1万人超(平均年齢54才、女性率43%、30%が非白人)のデータを分析しました。 データの分析においては、年齢や性別などを考慮しました。 運動能力の評価 運動能力の評価は、ウォーキング・マシンを用いて測定した運動量をMET(metabolic equivalents of task)に換算することにより行いました。 METとは身体活動による消費されるエネルギーの量のことで、身体活動が激しいほどMETの値は大きくなります。 例えば「睡眠」のMETは0.9で「テレビ視聴」のMETは1.0ですが、ジョギングのMETは9.0で縄跳びのMETは10.0です。 したがって、METの大きな運動が可能である人のほうが運動能力が高いということになります。 結果 運動能力が「低い」だったグループ 1991年に行われた初回の運動能力測定と 2009年に行われた2回目の運動能力測定の両方において運動能力が「低い」と評価されたグループに比べて、運動能力が「低い」から「中程度」または「高い」へと向上したグループは、死亡リスク(死因を問わない)が男性では37%、女性では44%低下していました。 1991年~2009年のうちに運動能力が1MET向上するごとに、死亡リスクが男性では13%、女性では16%低下するという計算になりました。 運動能力が「中程度」だったグループ 当初の運動能力が「中程度」だったグループでも、当初の運動能力が「低い」だったグループと同じような死亡リスクの違いが見られました(「中程度 → 中程度」のグループよりも「中程度 → 高い」のグループのほうが死亡リスクが低かった)。